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イスラームとは

イスラームとは何か?

「イスラーム」という言葉は、「降伏」「服従」「実践」「平和」といった相互に関連する単語をつくるアラビア語の語根、S (س)- L (ل)- M (م)に由来します。一般的には「イスラーム」は、西暦610年から632年にかけてムハンマド・イブン・アブドゥッラー(pbuh : Peace Be Upon Him / 彼に平安のあらんことを)が受けた啓示によって誕生した一神教のことを指します。

イスラーム教における本質的な目標とは、唯一なる神に帰依し、神の導きを受け入れることによって、あまねく平和――唯一なる神との平和、己の内面の平和、そして神の創造したものすべてとの平和を得ることにあります。

イスラーム教は多くの信徒を抱える宗教であり、それら信徒のことをムスリムと呼びます。ムスリムとは、イスラーム教を信仰し、その教義を実践する者のことです。

「イスラーム」という宗教名は、ムハンマド(pbuh)に対して啓示された聖典「クルアーン」からとられました。実のところ、イスラーム教は完全に新しく生まれた宗教というわけではありません。イスラーム誕生以前より存在した唯一神からの教え、宗教、これらにおける「神の唯一性」を再度、かつ最終的に確認として降ろされたのが、イスラーム教なのです。

繰り返しになりますが、イスラーム教は全く新しく誕生した宗教というわけではなかったのです。長い歴史の中で、唯一なる神が複数の預言者を通じて人々に啓示された紛うことなき真理の“最終版”なのです。そして、イスラームの道は、人々にとって完成された生き方を実践することでもあります。すなわち、平和、慈悲、赦しに生きるということです。その生き方は、罪なき人々に対する暴力行為などとは無縁のものであるはずです。

ムスリムは唯一無二で比較対象もない「神」を信仰し、最後の審判を信じ、そして己の行動に伴う責任を信じています。またムスリムは、アダムから始まり、ノア、アブラハム、イシュマエル、イサク、ヤコブ、ヨセフ、ヨブ、モーセ、ダビデ、ソロモン、イエスといった預言者たち(彼ら全てに平安あれ)のことも信じています。つまり、最後の預言者ムハンマド(pbuh)をもって、すべての預言者たちに告げられてきた神の永遠なる教えが完成したと考えるのです。

世界人口の25 %を超えるムスリムたちは、イスラームを包括的なものとしてとらえています。大切なのは、多くの非ムスリムにもなじみ深い特定の教義(例えば豚肉を食べないこと)や、儀式(例えばラマダーン月の断食)だけではなく、あくまでも自然に神を意識と行動の中心に据え、神とともに歩むということなのです。

さて、預言者ムハンマド(pbuh)は、イスラームの核心をこのように簡潔に示しました。

「神に対する帰依。そして、あなたが神の唯一性、またムハンマドが神の使徒であるということについて証言すること。義務の礼拝を実践し、ラマダーン月には断食を行い、そして可能であればメッカへ巡礼すること」

「信仰とは、神、その遣わされた天使、預言者と使徒、啓典(クルアーン)、また最後の審判の日を信ずること」

「美しい行いとは、あなたが神を見ているかのように神を崇拝することである。あなたが神を見なくとも、神はあなたを見ている」

今日、イスラーム教は18億人以上の信徒を擁する、世界で二番目に規模の大きい宗教です。信徒は世界人口の24 %以上を占め、アジア、北アフリカ、サハラ以南のアフリカ、中東の26か国で国教とされています。そして、イスラーム教は世界のあらゆる宗教を凌駕する急速な成長を続けています(Pew Research Centerによる)。

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