毎年行われるマッカへの巡礼ハッジは、その遂行において肉体的にも経済的にも能力のあるムスリムにとって、一生に一度は行うことが義務付けられています。
毎年世界中からおよそ2百万人もの巡礼者がマッカを訪れます。マッカはいつも訪問者で溢れていますが、恒例のハッジはイスラーム暦の12月に行われます。男性の巡礼者はあらゆる階級や文化の区別を払拭する特別で簡素な装いをし、神の前に平等な形で臨みます。
ハッジの儀式では、巡礼者はカアバ神殿の周囲を7周回り、さらにハガルが水を捜し求めて走り回った逸話にちなんで、サファーとマルワの丘の間を7回往来します。それから巡礼者はアラファの地に共に立ち、祈願をしたり神の赦しを求めたりしますが、これはしばしば審判の日の光景を想起させるものと見なされます。ハッジの最後は、礼拝を伴う大祭であるイード・アル=アドハーによって締めくくられます。
この大祭と、断食月の終わりを祝福するイード・ル=フィトルと呼ばれる大祭は、ムスリムにとって年2回の祭事です。